• 共催　　千葉市教育委員会
• 後援　　千葉市国際交流協会　
• 協賛　　認定NPO法人いきいきフォーラム草の根支援
• 主催　　国際交流まくはり　
• 参加者　121人
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■　垣見一雅（OKバジ）氏略歴

• 1939年　東京生まれ、早稲田大学商学部卒業
• 私立「順心女子学園」の英語教師を23年間務める
  • 1990年、ヒマラヤのアンナプルナ山群マチャプチャレベースキャンプで山歩き中に大雪崩に巻き込まれ、本人は九死に一生を得るが、その時一緒にいたネパール人ポーターが犠牲になった。何か借りができたように感じた。
  • 1992年同ポーター、ティラック・アレの故郷東パルパのドリマラ村を訪れた。この寒村に行ったときの衝撃は彼の心を揺さぶった。貧困などと言えるものを通り越した、生活の現状。水もなく、女たちは毎日、水汲みの重労働に喘いでいた。（今は水道の蛇口から水が出る）
  • 1993年54歳の時、教師を辞め、同村でテント生活を始める。当初村人たちに頼まれると、なんでも「OK！OK！」と言っていたところから、「OKバジ（バジはネパール語でおじいさん）と呼ばれるようになる。村人は土づくりの６畳ほどの家を垣見さんのために建てた。
  • 村の生活になじむと周辺の村々に通い始めた。そして多くの村が「水不足」「教育不足」であることを知り、小学校や幼児教室、水道管施設、医療扶助等を村人の自立を図りながら、支援してきた。
  • 農村部を拠点に武装闘争を続けたネパール共産党毛沢東派（マオイスト）が席巻し、各国のNGOを追い出した時があったが、垣見氏の仕事には手を出せなかった。「政府や外国のNGOのてのとどかないところにまで支援が回った、村民たちと心が通じ合った外国人だ」と現地で評価されている。
  • 1997年ネパール国王から日本人で唯一ゴルカダッチンバウ勲四等勲章授与
  • 2009年吉川英治文化賞受賞「ネパールに居住し、住民から寄せられる様々な問題と向き合い、生活の自立を支援」
  • 現在、活動に共鳴した様々な団体、および個人からの支援を受けながら活動、最近は雨季である6、7月は日本に帰り、講演や活動報告をしている。　　　　

■　TV東京2011年取材「山奥の村で国王よりも尊敬される日本人」　

• 神々の山ヒマラヤのふもと、ネパール人口2900万人
• 国民の8割　ヒンズー教
• 首都カトマンズから南西200km　タンセン郡　ドリマラ村居住　標高1400m　人口500人
• 洋服やは足踏みミシン（水力発電のため乾燥機は12時間停電／日、電動ミシン不可）
• 入浴、洗濯は河川に遭遇したら（1回／2週）その場で対応
• 医療支援、教育支援のため100以上の村を訪問
• 100校以上の学校の設立に関与
• 水の利用によって仕事が生まれ、多種の野菜栽培が可能になった
• 吊り橋の完成によって、病院、買い物が近くなった（6時間→3時間）
• 1997年ネパール国王から勲章を授与
• 山間部で土地が狭いため、日本から寄贈されたバレーボールが盛ん
• OKバジのため各村に宿泊所、食事が用意
• 以前、病院まで3時間、現在、村にヘルスポスト設置、患者100人／日　無料診療
• 「村人の自立のきっかけを作っているに過ぎない、日本からの支援が必要、村人たちがやる気を起こすとうまくいく」
• 学校の先生の給料支援、村人たちを集め、意思を確認し、皆の前で、現金を渡す。（トップに渡してしまうと、個人的な流用など間違いが起こる）
• OKバジの今後⇒グリーンネパールの創造
  
  

■講演「OKバジ〜ネパールの今」

2008年王政廃止、共和制へ
面積：北海道の2倍14万Km^２　人口：3000万人（2008年）

・　OKバジの居住するネパールのパルパ県東パルパ郡ジャルパ　ドリマラ村の位置

↓インドと中国の間のサツマイモ形の国がネパール連邦民主共和国


↓中央部より少し下の灰色の線で囲まれた部分がパルパ県


↓パルパ県を拡大した図。このパルパで垣見氏は活動中。縦横ともに歩いて2，3日ほどの距離。東側部が東パルパ地方


↓東パルパ地方をもっと詳しく見ると、北西部にあるジャルパに垣見氏の住むドリマラ村が。


ドリマラ村への山道


村への移動　ジープ＆徒歩


・　ネパール語

ナマステ（NAMASTE)：朝昼夜（おはよう・こんにちは・こんばんは）
ミトチャ：（おいしい）
カンチュウハイ：（いただきます）

・　OKバジの主な支援プロジェクト

• 医療支援（ヘルスポスト、医療費支援など）
• 教育支援（学校建設、奨学金、教師給与補助など）
• 水プロジェクト（灌漑用水、給水設備など）
• 生活環境改善プロジェクト（バイオガス、つり橋など）
• 自立化支援（農作業技術指導、山羊等の購入資金援助、種子援助など）
• 生活物資支援（衣料、寝具など）
• 植林プロジェクト

村人たちの要望聴取・確認



　村人たちからの主な支援への要望

• 女性達への識字教育（かつては息子の手紙の読み書きを求めたが、現在はケイタイ、子供に移行）
• 治療、およびその費用
• 女性達の水汲み

●　医療支援プロジェクト

• デンタル　キャンプの開設、不要の歯（虫歯）を抜く治療
• ヘルス　ポスト　医者を呼んで来て、診療する
• アイ　クリニック　日本の支援で近日完成
• 治療費支援

虫歯を抜く　97本／日


薬局（日本からの支援）


●　教育支援プロジェクト
・　ネパールの教育制度

＋マスター・ドクター（21〜25才）　
＋学士（18〜20才）　
＋後期中等教育（16〜17才）
＋SLC国家統一試験　
＋中期中等教育（14〜15才）
＋前期中等教育（11〜13才）　
＋初等教育（６〜10才）　
＋幼稚園（４〜5才）　
　幼児教育（３才）

・　学校の建設（100校以上）
before

↓
after


・IVUSA学生キャンプ

• ・　IVSA(国際ボランティア学生協会）の10日間ワークキャンプでは水なしで生活する。
• 　　毎日の水確保がこんなに大切な事かを思い知らされる。
• 　　学生たちの感想：「当たり前が当たり前でなく、全てに感謝」

・奨学金（400円／年）、教育用品の支援
・教師給与補助
・スポーツ支援　バレーボールのボール、ユニホームの購入

●　水プロジェクト
首都カトマンズでも給水1回／10日
・水源地（5km先）より水道配管をして、村に給水設備を設置
before(5km先より運搬）



↓
after（蛇口をひねると水が出る）




・灌漑用水の利用による野菜の栽培

●　生活環境改善プロジェクト
・バイオガスの製造4000L地下タンクを利用、人糞と牛糞によるメタンガス製造装置、
　　6人家族の炊飯に十分なガスを２H／日供給　（参考：米30円／�s）
・つり橋の設置

バイオガス製造装置





●　自立化支援プロジェクト
・　農作業技術指導、山羊等の購入資金援助、種子援助など

アムリスト・ほうきの製造


ハーブ・シナモン・コーヒー豆の収穫


●　植林プロジェクト
・　グリーンネパールの創造

・　OKバジが19年間村人たちから教わったこと

1. 足るを知ることが大切
2. 善意、喜びの連鎖は存在すること
3. 一人救えば一人助かること
4. 100円の価値が大変大きいこと
5. 一人では何もできないこと
6. 〜16省略

物の充足感は幸福感の希薄となる

The tragedy of human
history is decreasing
happiness in the midst of
increasing comforts.
↓
modified by OK Baji

The comedy of OK Baji's
history is increasing
happiness in the midst of
decreasing comforts.

DHERAI　DHANYABAAD
デライ　　ダニヤバ―ド
どうもありがとう
OKバジ



［質疑応答］　

Q 1　20年前からBaji（バジ）と言われていたのか？

• A１　ネパールでは40才台からおじいさんになる。50才はBaji（バジ）

Q2　家族の理解は？

• A2　理解者になった。　

Q3　体力作り、健康は？

• A3　独断の栄養学＝歩く、よい空気、水、ストレスを残さない、何でも美味しく食べる

Q4　行政、政府の対応は？

• A4　政府がやると・・・・
• 許可など必要なときは仕方ない、呼び水支援　我々70％：政府30％

Q5　政府と村の分担は？

• A5　先生の給料、最初の数年間は村で捻出、その後政府から（外国の支援）予算が付く。
• 建物は昔は我々、最近はJICAや外国の支援、まだ不足

Q6　ネパールでの支援のあり方は理解したが、アフリカなどはどんな形の支援がよいのか

• A6 人との信頼関係、草の根の人たちとどう関わるか（上に立つ人でなく）

Q7　”おじいさん”はバジ、バジャ、バジェ？

• A7　BAJI(バジ）は敬称にも使われる、マーネル語ではバジ、ネパール語ではバジェ

Q8　外国の支援は？日本の支援は？

• A8　JICA＋政府、2教室ずつ

Q9　　世界の支援順位は１、英国、２、米国、３、スペイン・・・６、日本であるが、日本政府の支援の目的は？

• A9　不明

Q10　標準時は？シェルパの経済格差は？

• A10　トレッキングルートは潤っている、植林、アムリスト、シナモン、コーヒー豆の栽培

多くの皆様のご協力を得て、この講演会を開催することができました。
OKバジこと垣見先生の業績の一部しか伺えませんでしたが、それでも、充実した素晴らしい内容の支援活動です。
今まで積み重ねて来られたお仕事ばかりでなく、それをさらりと淡々と述べられるお人柄に打たれました。
垣見先生のますますのご活躍をお祈りいたします。